大英博物館の中でひっそりしているけど実は重要だった!エンライトメントギャラリーについて語る。
こんにちは。留学中ロンドン駐妻minazoです。
今回は、このゆるーい留学ブログでぜひシリーズ化したい、
「ロンドンの美術館・博物館について語るシリーズ」!!!
※いいタイトル考え中。
私が大学で受けているコースでは副選択科目がありまして、私minazoは「美術入門」を選択しました。
このクラスでは、毎回違うテーマについてレクチャーを受けたのち、テーマに関連するアートを実際に美術館や博物館に見に行くのです。(遠足、、?)
というわけで、大学の授業で学んだことを中心に、ロンドンの美術館・博物館について語っていきたいと思います。
ちなみに、私のリスニングによる情報なので、内容が間違っている可能性が大いにあります。どうぞ、1ブログとして話半分に見てください。
ロンドンといえば大英博物館
シリーズ第一回目に相応しい、ロンドンのなかでも1番有名な大英博物館に行ってきました。
ロンドン駐妻あるあるかと思いますが、私が大英博物館に来たのは今回で、、8回目。
8回/10か月。なんとほぼ月1ペース!これは足繫く通ったわけではなく、ロンドンに遊びに来た家族や友達について行った結果です。
そして、何度も付き合ってもまあいいかと思えるのは無料だからです。笑
さて、授業のテーマにも少し関わってきますが、大英博物館は入館料が無料なのです。
今回レクチャーで与えられた1つ目のテーマは「Repatriation」。日本語を調べたら「本国送還」。
「大英博物館に展示されている多くのものは、昔イギリス人が略奪したり盗んだものだから、元あった国に返すべきだ」という発想。
これに対して、
- 博物館は無料で、お金を儲けているわけじゃないからいいじゃん
- 元あった場所より博物館のほうが盗まれたり壊されなくて安全
- 今からでも遅くない!歴史上の過ちを正すべき
などなど、自分の意見を考えつつ見ましょうというのがテーマの1つでした。
大英博物館で1番古い展示室!エンライトメントギャラリー
さて、Repatriationについて薄っすらと考えつつ、エンライトメントギャラリーへ。
今までロゼッタストーンやパルテノン神殿に気を取られて、あまりよく見てなかったのですが、実はとっても奥深い。
地域ごとに展示品がまとまっているの他のエリアとは違って、18世紀の時代の色んな国の色んなものがテーマごとにまとめられている場所。一見なんだかよくわからなくて、通り過ぎがちですが、先生に教わって、大英博物館内でも超重要な場所ということがわかりました。笑
「エンライトメントギャラリー」=「啓蒙の展示室」
啓蒙というと大学で習った記憶が、、蘇るような、蘇らないような?
先生曰く、啓蒙とは「Knowledge is Power」という精神であり、人間が「mature」な状態になること。
ただ、18世紀イギリスにこの啓蒙主義が生まれたものの、啓蒙の考え方に触れられる場所がサロンとかカフェとか、貴族コミュニティに限られていた。
そこで、庶民も訪れられる博物館を啓蒙の場として、世界の英知(展示品)を集めよう!となったらしい。なので、このエンライトメントギャラリーは大英博物館で1番古いコーナー。
エンライトメントギャラリーの一番の特徴は、”標本っぽい”こと。
他のコーナーと違って、展示品がカテゴリーごとにガラスの棚にきれいに整理されています。(他のエリアの銅像とかは割と野ざらしだったり笑)
これは、創設者のハンス・スローンさんがボタニスト(植物学者)だったため。ボタニカルガーデン(植物園)みたいに、カテゴリーごとに標本っぽく並べたかったらしい。
ハンス・スローンさんはこのボタニカルな考え方が好きすぎて、地球上にいる人間も、人種ごとにカテゴライズしようとしていたそう。
エンライトメントギャラリーは7つのコーナーに分かれていて、多種多様な展示品があったのですが、もちろん全部は見切れず。エンライトメントギャラリーに絞って、改めて大英博物館に来ようと誓いました。。
少しですが、先生がピックアップして教えてくれたものの写真を載せておきます。
大英博物館の目玉、ロゼッタストーン!のレプリカ!笑
本物は別の場所に展示してあります(次回のブログはロゼッタストーンについて書きます)
なんと、恐竜の化石まであった。
化石自体と関係ないけど、これを発掘した人は女性で、有名な早口言葉「She sells seashells by the seashore」を考えた人らしい。
時間がない中で先生が「2秒だけ紹介したい!あとで個人的によく見て!」と、すごいおすすめしてくれてのに、何がおすすめだったのか全然思い出せない笑。
棘の聖骨箱、、?誰か教えてください。
今はどこかに貸し出し中らしい、日本の江戸時代に作られた架空の動物ミイラ。
色んな動物の死体をくっつけて、伝説の動物風なミイラを作っていたというやつ。
たしか河童とか有名な気がするけど、大英博物館の展示ミイラはどんな仕上がりなのか確認できず。
大英博物館のものは返すべきか?私の意見は、、
さて、授業のテーマだった「Repatriation」。
私は、おおむね「返さなくていい派」です。
具体的なエビデンスがない状態であれですが、ざっくり言われているそれぞれの主張をみると、返さないのが有力かなぁと。
- 「返さない」理由
盗難・破壊の可能性が低くて安心
一か所に集められていると研究も進む
展示品としてより多くの人に見てもらえる
- 「返す」理由
略奪した罪を認めて、過ちを正すべき
「もし壊れたって、研究進まなくたって、元の持ち主が納得ならいいじゃん。何はともあれ、返して欲しがっているなら返そうよ。」
という意見も一理あるなと思いつつ、
例えば、分かりやすいロゼッタストーン。
今生きている私たちにとっては、ロゼッタストーンは「大英博物館にある、あのロゼッタストーン」であって、元あったエジプトの神殿(もしくは地元のどこか保管場所?)に戻されたら、いわゆるロゼッタストーンはもう「消滅」してしまうのではないかと。
そして、大英博物館でいつも人だかりができるほど人を惹きつける(みんなとりあえず感はあるだろうけど笑)、そのロゼッタストーンが消滅してしまうのは、残念なことだなぁと。
もちろん、「Repatriation」が議論される展示品それぞれに、歴史、ストーリーがあって、一言で決められないなとも感じました。
それにしても、こんな真面目に考えながら大英博物館を周ったのは初めてだったので、よい経験!楽しい!
というわけで、大英博物館の前半、エンライトメントギャラリーでした!
実はまだ続きまして、次回も大英博物館です。
おわり。